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2020.11.19 読みもの

「健康寿命」をご存じですか?

 

人生100年時代と言われる昨今、「出来るだけ長生きしたい」「高齢になっても元気でいきいき生活したい」と考える人は多いのではないでしょうか。一度きりの人生、健康的に楽しく過ごしたいものです。そのためには日々の生活習慣の改善がかかせません。改善、といってもアスリートのような激しいトレーニングは無理ですよね。

今日からすぐに取り入れて実践できる簡単な方法をいくつかご紹介します。

目次
「寿命」と「健康寿命」何が違うの?

「いつまでも元気で長生きしたい」と考えている方にまず知ってほしいのが「健康寿命」という考え方です。

「長生き=死ぬまで元気」とは限りません。日本は世界的にも平均寿命の長い国として知られていますが、同時に、寝たきりや認知症など、介護状態の期間が長いのも事実です。

「健康寿命」は国連の世界保健機関(WHO)が提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間の事を指します。

つまり、「日常生活に制限がなく自立して生活できる期間」が健康寿命であると言えます。

日本の健康寿命は、平均寿命より男性は約9年、女性は約12年も短いことが分かっています。これは例えば、「脳卒中の後遺症で身体に麻痺が残ってしまった」「認知症を発症して介護なしでは生活できない」「寝たきりになりベッドから離れられない」など、自分の意思で自立した生活が送れない状態で、日常生活に制限のある期間が平均で9~12年もあるということです。

「寿命」と「健康寿命」の差を小さくして、ただ長く生きるのではなく、心身ともに健康的な生活を送れる期間をのばそうと意識することが重要です。

ちなみに、寿命という言葉を聞くと、現在健康な方や、バリバリ働いている世代には関係のない話、と思いがちです。

しかし、いわゆる高齢者と呼ばれる65歳以上になってから健康を意識しても遅いことも!

高齢者の方はもちろん、若い世代もいまから生活習慣改善に取り組むことで未来の身体を作っていきましょう。

スマート・ライフ・プロジェクトを実践しよう

それでは、高齢になってからも元気で暮らす未来のため、寿命と健康寿命の差を縮めるためには、具体的にどうすればよいのでしょう。

世の中にはテレビや雑誌、新聞、インターネットなどでありとあらゆる健康に関する情報があふれています。

そのなかで何をすればよいのかわからない方は、厚生労働省が提唱する「スマート・ライフ・プロジェクト」を実践することをおすすめします。

「スマート・ライフ・プロジェクト」とは、【健康寿命をのばしましょう。】をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした厚生労働省の国民運動です。

参画する企業・団体・自治体と協力・連携しながら、健康寿命の延伸を推進しています。

厚生労働省推進「スマート・ライフ・プロジェクト」公式サイト

https://www.smartlife.mhlw.go.jp/

スマート・ライフ・プロジェクトでは、「運動」「食生活」「禁煙」の3分野を中心に、具体的なアクションの実践を呼びかけています。

「運動」「食生活」は健康づくりの基礎となるテーマであり、生活習慣病の予防に深くかかわるので、日常的に必ず取り入れたいアクションです。

また、喫煙を続けると様々な疾病発症のリスクが上がり、健康寿命の延伸を妨げてしまうため、喫煙者の「禁煙」も健康づくりには欠かせません。

さらに、2014年度からはこれらの3つに加えて「健診・検診の受診」を推進しています。

健診と検診は、読み方は同じ「けんしん」でも、検査の内容や受診目的が異なります。

健診(健康診断)は、自分の健康状態を知り、病気のリスクを見付けるために受診することです。一方の検診は、特定の疾病を発見するために受診すること。

早期の段階では自覚症状がないという病気も、特に生活習慣病では良く見られます。リスクを早い段階で発見し、対処していくためには、定期的に自分のからだの状態を知っておくことが重要です。

健康的な生活は毎日少しの意識から

厚生労働省推進「スマート・ライフ・プロジェクト」公式サイト(

https://www.smartlife.mhlw.go.jp/ )には4つのアクションを進めていくための方法がたくさん提供されています。

どれも今日からすぐに始められるものばかり。

例えば「1日にあと70gの野菜をプラス!」の生活目標では、いつもの食事にあと70gの野菜を追加することを呼びかけています。70gというとイメージがわきにくいかもしれませんが、トマト半個分、野菜炒めだと半皿分、だそうです。そう聞くと取り入れやすいですよね。

運動が苦手な方が10分だけ歩こうとすると、10分間が永遠に感じたり…しませんか?そんな時は音楽を聴きながら、たった3曲分だけ歩きましょう。好きな歌を3曲分、歩けそうな気がしてきましたね。

生活を改善しなさいと言われると面倒な気持ちが先走ってしまったり、自分の生活を悪いと思えなかったりしますが、少しのプラスアルファで健康な老後を手に入れられます。考え方を少しだけ変えて、未来も変えていきましょう。

最後

病気になってからこれまでの悪い生活習慣を後悔しても遅いです。病気の種類や進行の度合いによっては元の生活に戻れなくなる可能性もあります。少しのアクション、今日から実践して、健康寿命の延伸を目指しましょう!