僧・雪舟が築庭したと
いわれる、癒しの庭園

雪舟が中国で学んだ山水の技術を生かし、自然の地形を利用して築庭したとされる庭園。様式は蓬莱式庭園とされ、池中に仙人が住む蓬莱島、鶴と亀を表す鶴石、亀石を設けており、雪舟の庭園でも初期の物とされます。石組は仏を表し、恰も曼荼羅のようでもある庭園は雪舟の特徴が遺憾なく発揮されています。
国指定名勝にも選ばれ、地元では「雪舟さんの魚楽園」として多くの人に親しまれています。また、園内には築160年程の、書院造りの藤江氏屋敷が。縁側に座って庭園を眺めると、額縁を通して一枚の絵を見ているようです。山から吹く風を感じながら、静かに自分と向き合う時間をお過ごしください。

聖・雪舟

応永27年(1420年)、備中国赤浜(現在の岡山県総社市)に生まれる。生家は小田氏という武家とされている。
応仁元年(1467年)に遣明船で明へ渡航。各地を廻り、約2年間本格的な水墨画に触れ、研究した。天童山景徳禅寺では「四明天童山第一座」の称号を得る(以後、雪舟の作品の署名には度々この称号を書き入れている)。更に北京に赴き、政府の建物に壁画を書いて、大いに評判になったという。
大陸の自然は、雪舟に深く影響した。「風景こそ最大の師」と悟った様に、彼は帰路、揚子江を下りつつ貪欲に各地の風景を写生した。